「ねえ、ここだけの話なんだけど…」
他人に関する何かしらの情報が、雑談の話題になることって、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。なぜ、私たちは他人の秘密や重要な情報ほど話したくなるのでしょうか?今回は、そのメカニズムを探りつつ、私たちが身近な人から「大切な情報」を打ち明けられたときに、どうすればよいのか考えてみます。
メカニズム①「距離を縮める」
そもそもみなさんは他人の秘密やうわさって好きですか?「好き」というよりも、ふとした雑談の共通テーマとして潤滑油のような役目になっている場合もあるのではないでしょうか。雑談では共通のテーマや経験を見つけることで相手との距離を縮めようとしますが、「ここだけの話」のような秘密や内密な情報は、距離を縮めることに役立ってくれます。
メカニズム②「重さを手放す」
特に衝撃的な情報や人生に関わるような深刻な秘密は、聞き手側も一人で抱え込むことに心理的な負荷を感じます。そしてその負荷をどうしても軽くしたくて、「誰かに聞いてほしい!」「このモヤモヤを共有したい!」とつい信頼できる他の誰かに打ち明けようとします。
メカニズム③「広がっていく」
そして打ち明けたあとは、秘密はバケツリレーの如く次から次へと運ばれていくことになります。負荷を軽減するために誰かに秘密を話す…すると、聞いた相手も、同じく負荷を背負いそれを軽減するためにほかの誰かに話していく…。こうして、「重要な情報」であればあるほど、負荷を軽減させたいという欲求が働き、人から人へと「ここだけの話」として連鎖され、あっという間に広がっていってしまうのです。
では、秘密は広がってしまっても仕方がない?そんなことはないですよね。
「キャリアの悩み」「家庭の事情」「心身の不調」など、大切な情報を打ち明けてくれたとしたら、その情報はあなたにとって、単なるゴシップではなく“その人の人生に関わる大切な預かりもの”といえます。ほかの誰かに話す前に立ち止まって、あなたを信頼してくれた「理由」を考えてみましょう。なぜ、相手はあなたに話してくれたのか…それは、「この人なら、ちゃんと受け止めてくれる」「この人なら、口が堅い」と、あなたを信頼してくれた証拠なのかもしれません。
もしもあなたが心理的な負荷に耐えかねて他人に流してしまえば、信頼を失ってしまうし、秘密は次々と広まっていく可能性があります。また、秘密を話してくれた相手にとっては、安心できる環境が崩れていく…そんな息苦しくつらい経験をさせてしまいます。
そうならないためにも、「情報の重さ」を正しく理解し、打ち明けてくれた相手の信頼をしっかり守り抜ける人でありたいですね。現代はSNS等、情報が容易に拡散されやすい時代。だからこそ「口の堅さ」は、身近な人との信頼関係や職場の心理的安全を保つためにも重要なスキルになりそうです。
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