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スペシャル対談INTERVIEW

社会保険労務士法人 アーク&パートナーズ代表社員 黒川健吾 氏 X アイエムエフ株式会社 代表 大塚博巳

社会保険労務士から見る企業がメンタルヘルス施策に取組む意義とは?

#01変わりつつある「従業員の健康」についての考え方

大塚:

これまでは世の中の風潮として、メンタルヘルス施策を導入していることを公表することに抵抗を感じる企業が多かったように思います。しかし、最近では、メンタルヘルス施策に、とてもポジティブな反応を示す企業が増えていることを実感しています。

黒川:

私のところには、いろいろな企業から、労務関連の問題やトラブルについての様々な相談が入ります。特に、最近であれば「働き方改革」のことについてのご相談も増えてきました。
元々、企業では健康な従業員を前提に仕組みを考えているものですが、その仕組におさまらないことも起きてきます。従来であれば、それは個人の問題ということで片付けられてきましたが、現代では、組織的な課題として考えざるを得ないというように、企業としての意識も変化してきています。

大塚:

この20年弱の間に、労働者のメンタルヘルスに関連する指針や法整備が進められてきましたので、それに伴って企業側も従業員側にも意識に変化が見られます。

黒川:

そうですね、法律ということからすると、長時間労働の規制はすでに当たり前のことですが、労働安全衛生法では安全配慮義務、つまり従業員の健康を維持して働かせないといけない、ということが定められています。

逆に言うと、働くことによって不健康にさせてはいけないということが、企業に義務付けられているわけです。
健康であったはずの従業員の中から不健康な人が出てきた場合にも対応するのが企業の役割になりました。

その意味では、従業員が不調になった場合に、まずは診断書等に基づいて少し休ませるなどの対応はしています。ただ、多くの場合、不調だということが企業に伝わるときには、すでに働けない状態になっています。

黒川健吾 イメージ

企業側としてもそこで初めて「困ったな」と認識するわけですが、その前に何らかの兆候をつかんで対応していたら、休職までいかずに済んだかもしれません。
ですから、不調者への対応だけではなく、早期に発見し、対応できる環境(体制)づくりも必要です。
さらに、同時に取組むことは難しいかもしれませんが、不調の未然防止のための取組みにも着手してほしいものです。

スペシャル対談 イメージ

大塚:

まさに、未然防止(一次予防)を見据えた取組みとしてストレスチェック制度が2015年12月に施行されましたが、黒川さんからは、このストレスチェック制度はどのようにお考えですか?

黒川:

国からストレスチェックが義務化されることによって、不調の予防を考えるという前向きな動きにはなって来ました。その意味では、この制度がスタートしたということ自体は評価できます。
しかし、課題も同時に見えてきました。ストレスチェックの結果を、予防の仕組みづくりにどう活かせばいいか、見えていない企業がたくさんあります。
ストレスチェックが義務化されて、制度は導入したけれども、それはまだ実施したというだけであって、それ自体が予防になっているとは言い切れません。

例えば、個人結果は返却されても意味が分かりにくい、面接指導の対象と通知されても申出はしにくい、そもそも従業員にとって何の解決策になるのか、などさまざまな声が聞かれます。企業にとっても、集団分析結果が何を意味しているのか、どのように不調の予防につなげるのか分かりにくいなど厳しい意見が出ています。おそらく、これから数年でこの制度の真価が問われるものと思います。

#02ストレスチェックを予防に結びつけるには何が必要か?

大塚:

では、黒川さんから見て、メンタルヘルス不調者の発生を未然防止するには、企業はどのような取組みをする必要がありますか?

黒川:

まずは長時間労働がない職場への取組みが必要です。その上でメンタルヘルス不調者の発生の未然防止を考えるのであれば、もう少し広い意味での職場環境について考える必要があるかと思います。そのためには職場環境の現状把握をしていかなければいけません。私たちは、そのようにして労務管理の面からメンタルヘルス不調者を減らしていきたいわけです。
ただ、今までの労務管理の概念だけでは限界があると思います。業種や職場によってストレス要因は多様ですから、それを現場からすくい上げていくボトムアップの発想が、未然防止の仕組みづくりには必要だと思います。その意味では、ストレスチェックの集団分析などに期待をしているのですが、実際のところどうなのでしょうか。

大塚:

なるほど、それで黒川さんは社会保険労務士としてのお仕事を、企業の現在、将来に起こりうる経営課題の解決に取り組み、よりよい企業価値をつくっていくこと、企業を継続的に成長させる仕事と定義されているわけですね。

私たちは10年以上、企業のストレスチェックを実施しておりますが、義務化以前からセルフケアの促進等の視点以上に、職場環境の分析とそれを実際の取組みにつなげることに注力をしてきました。それは、まさによりよい企業価値をつくっていくことにつながると信じているからです。
たとえば、量的負担(忙しさ)を感じているにもかかわらず、特に健康リスクが高いということにならない企業が存在します。企業内を見渡しても、ものすごく忙しい部署だからと言って、リスクが高まるとは限りません。この辺りのポジティブな(緩衝)要因は企業としても前向きに活用したいところであるはずです。

大塚博巳 イメージ

黒川:

なるほど。これであれば、企業にとって少し分かりやすくなりますね。

大塚:

手前味噌ですが、私たちは、ストレスチェックばかりではなく、企業におけるメンタルヘルス施策をきちんと理解していただける専門機関を目指して長年やってきました。
それでも、まだまだ企業にとっての分かり易さ、費用対効果に関しては、課題が山積みのように感じます。

黒川:

ですから、専門家、専門機関との連携は本当に大切だと思います。

#03なぜメンタルヘルス施策をするべきなのか?

黒川:

私が企業から相談を受けた事例では、責任感が強く、仕事を一人で抱え込みがちな、いわゆる真面目な人がメンタルヘルス不調になることが多いように思います。そういう真面目に頑張っている人が、ある日突然働けなくなるというのは、企業にとってリスクが高いことだということを、企業は知る必要があると思います。
あたり前ですが、従業員が一人でも倒れると、企業にとっては非常に損失が大きく、採用コスト、教育コストもまた新たにかかるわけですから、三重苦です。

大塚:

また、二次的な問題として、職場の雰囲気にも影響がでることがあります。不調者が出ると周囲の従業員も不安になりますし、対応によっては企業に対する不信感にもつながります。

黒川:

コンプライアンス、リスクマネジメントという観点に加えて、生産性においても問題が発生するというわけですね。そういったリスクを認識できると、貴社のようなメンタルヘルス施策の専門機関を利用する必要もより理解できるのではないかと思います。

スペシャル対談 イメージ

#04これからの日本で、働き方をどう変えていくべきか?

黒川:

いま急速に「働き方改革」が推進されています。しかし、これも実現していくには、制度をつくるだけでは実態が伴っていかないわけです。具体的に経営者の意識から変えないといけません。
また一方で、働き方改革は異なる側面もあることを、想定しておかなければいけないと思っています。長時間労働を少なくしていくのはいい。でもその反作用として、成果主義が表面化してくることもあり得ます。つまり同じ労働時間内で、どれくらい成果を出したかということが基準になっていく。そのプレッシャーがまた新たに従業員にはかかっていくわけです。

大塚:

労働者にとってのあらたなストレス要因ということですね。

黒川:

企業側にとっても痛し痒しなんですよ。働く時間を短くしても、異なる要因で不調者が増えてしまうかもしれません。国の方針に従っているのに、本末転倒です。
ですから、企業には多様な働き方を認める柔軟性が求められ、国や社会には具体的な仕組み作りが求められます。その中のひとつとしてストレスチェックやメンタルヘルス施策が位置付けられるのでしょう。
今までの長時間労働やメンタルヘルス不調者対応は当たり前の話です。これからは、その先を見ていかなければ対応できません。

#05アイエムエフに期待すること

黒川:

企業にとっては、まだまだメンタルヘルス施策導入への垣根があります。そこで、まずは理解していただく努力が必要かなと思います。
また、企業によって緊急な課題から対応することが求められるケースや、いくつかの必要な施策から始める方が良いケース、またワンストップでさまざまなサポートを望む企業もあると思いますので、ケースに応じて施策の選択肢も提案できると料金的なことも理解しやすく、より導入へのハードルが下がると思います。

黒川健吾 イメージ

大塚:

ご指摘のとおりですので、私たちも一層努力いたします。
また、導入した施策を活用しやすい体制づくりのサポートや産業医との連携も垣根を少しでも低くするために必要と考えています。

黒川:

今後は私たちも専門機関と連携して、企業をサポートしていくことがますます必要になると思います。
ここまでが社会保険労務士の領域といった縦割り構造ではなく、企業を中心に、社会保険労務士とメンタルヘルス施策支援機関が、課題を共有して仕組みを作っていくことが必要です。

大塚:

ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

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