これまでのコラムでは、「これってハラスメント?」と感じたときの考え方や、その後、誰にどう相談するかについてお伝えしてきました。
https://imfine.co.jp/news/617/
https://imfine.co.jp/news/631/
今回は少し立場を変えて、部下や同僚からハラスメントについて相談を受けたとき、管理職はどう対応したらよいのかを考えてみたいと思います。
ハラスメントについて誰かに話すことは、相談する本人にとって、とても勇気のいることです。
「相談したことが相手に知られたらどうしよう」
「仕返しをされたら怖い」
「職場に居づらくならないかな」
「周りに“あの人が言ったらしい”と知られたくない」
そんな不安を抱えながら、それでも「話してみよう」と思って相談していることがあります。
だからこそ、相談を受けたときに大切なのは、良かれと思って先回りしすぎないことです。
たとえば、
「それは大変だね。じゃあ私から本人に注意しておくよ」
とすぐに動いてしまうと、相談した本人は、
「私が相談したって分かってしまうかも……」
と、かえって不安になってしまうことがあります。
まずは、
「話してくれてありがとう」
「今、一番心配していることは何かな?」
「このことを誰かに伝えることについて、不安はある?」
と、本人が何を心配しているのかを聞いてみましょう。
「相手にはまだ知られたくない」
「今は話を聞いてもらうだけにしたい」
「自分でも、これからどうしたいのか分からない」
そんな答えが返ってくることもあります。

ハラスメントの相談では、「何があったのか」だけではなく、“相談した後に何が起きるのか”への不安にも目を向けることが大切です。
もちろん、内容によっては管理職一人で抱えず、人事や担当部署と連携していく必要があります。
その場合も、本人に何も伝えずに話を進めるのではなく、
「この内容は、私だけで判断せず人事にも相談した方がよさそうです」
「この先、誰まで共有される可能性があるかも一緒に確認しましょう」
と、できる範囲で今後の流れを本人にも伝えながら進めていくことが大切です。
一方で、「絶対に誰にも言わないから」と約束してしまうことにも注意が必要です。
相談内容によっては、会社として確認や対応が必要になることもあります。最初からできない約束をするのではなく、「どこまで共有される可能性があるのか」を確認しながら進める方が、結果的に本人の安心にもつながります。
また、相談を受けたときには、こんな言葉にも気をつけたいところです。
「それくらい、よくあることだよ」
「あなたにも何か原因があったんじゃない?」
「じゃあ本人に聞いてみるね」
「それは完全にハラスメントだね」
相談してきた人のつらさを軽く扱ったり、逆にその場ですぐにハラスメントだと決めつけたりする必要はありません。
まずは、「そういうことがあったんだね」「それはしんどかったね」と受け止めながら、本人が今どんなことで困っているのかを一緒に整理していきましょう。
管理職だからといって、その場ですぐに正解を出したり、一人ですべてを解決したりする必要はありません。
話を遮らずに聞くこと。
相談した後の不安にも目を向けること。
そして、次に何をするのかを本人にも伝えながら進めること。
相談したことそのものが、新たな不安にならないようにしましょう。
「話してよかった」と思える関わり方を意識することが、ハラスメント相談を受ける管理職にとって大切な役割のひとつです。
ハラスメントの相談を受けたり、実際に目撃したりした際の対応に困った時は誰かに話してみましょう。
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